ビタミンの摂取基準

ビタミンA□

ビタミンAが不足すると免疫力の低下や夜盲症を発症し、過剰に摂取すると頭痛や脱毛などが起こる。
また、ビタミンAは胎児発達に必須因子だが、過剰に摂取による胎児奇形の報告があるので注意。
単位はμgRE/日(レチノール当量)

性別男性女性
年齢推奨量目安量耐容上限量推奨量目安量耐容上限量
0~5(月)-300600-300600
6~8(月)-400600-400600
9~11(月)-400600-400600
1~2(歳)400-600350-600
3~5(歳)450-700450-700
6~7(歳)450-900400-900
8~9(歳)500-1200500-1200
10~11(歳)600-1500550-1500
12~14(歳)750-2000700-2000
15~17(歳)900-2500650-2500
18~29(歳)850-2700650-2700
30~49(歳)850-2700700-2700
50~69(歳)850-2700700-2700
70以上(歳)800-2700650-2700
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+0+0+80+450

ビタミンD□

ビタミンDが不足すると血中のカルシウムイオン濃度が低下し、血中副甲状腺ホルモン濃度の上昇が起こる。
体内でのカルシウム利用能が低下し、小児ではくる病、成人では骨軟化症の発症リスクが高まる。
逆に過剰に摂取すると、高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害などが起こることが知られている。

性別男性女性
年齢目安量(μg/日)耐容上限量(μg/日)目安量(μg/日)耐容上限量(μg/日)
0~5(月)2.5252.525
6~8(月)525525
9~11(月)525525
1~2(歳)2.5252.525
3~5(歳)2.5302.530
6~7(歳)2.5302.530
8~9(歳)335335
10~11(歳)3.5353.535
12~14(歳)3.5453.545
15~17(歳)4.5504.550
18~29(歳)5.5505.550
30~49(歳)5.5505.550
50~69(歳)5.5505.550
70以上(歳)5.5505.550
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+1.5+1.5+1.5+2.5

乳児(1歳未満)は適度な日照を受ける環境にある場合。日照を受ける機会がすくない乳児は5μg/日を目安量とする。

ビタミンE□

血中ビタミンE濃度を12μmol/L以上に保たれることが期待できる摂取量を算出。
現在の日本人の摂取量程度を摂取していればビタミンEの栄養状態に問題はない。

性別男性女性
年齢目安量(mg/日)耐容上限量(mg/日)目安量(mg/日)耐容上限量(mg/日)
0~5(月)3-3-
6~8(月)3.5-3.5-
9~11(月)3.5-3.5-
1~2(歳)3.51503.5150
3~5(歳)4.52004.5200
6~7(歳)53005300
8~9(歳)63505.5350
10~11(歳)6.54506450
12~14(歳)76007600
15~17(歳)87507650
18~29(歳)78006.5650
30~49(歳)79006.5700
50~69(歳)78506.5700
70以上(歳)77506.5650
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+0+0+0+3

α-トコフェロールについて算定。α-トコフェロール以外のビタミンEは含まない。

ビタミンK□

ビタミンKは血液の凝固を促進する作用があり、欠乏すると血液凝固の遅延が認められる。
過剰摂取に関して副作用の例はこれまでに報告がない。

性別男性女性
年齢目安量(μg/日)目安量(μg/日)
0~5(月)44
6~8(月)77
9~11(月)77
1~2(歳)2525
3~5(歳)3030
6~7(歳)4040
8~9(歳)4545
10~11(歳)5555
12~14(歳)7065
15~17(歳)8060
18~29(歳)7560
30~49(歳)7565
50~69(歳)7565
70以上(歳)7565
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+0+0+0+0

ビタミンB1□

ビタミンB1は、エネルギー代謝に関与するビタミン。
過剰摂取は頭痛、いらだち、不眠などの症状が報告されているが、データとしては十分でないので耐容上限は設定しない。

性別男性女性
年齢推奨量(mg/日)目安量(mg/日)推奨量(mg/日)目安量(mg/日)
0~5(月)-0.1-0.1
6~8(月)-0.3-0.3
9~11(月)-0.3-0.3
1~2(歳)0.5-0.5-
3~5(歳)0.7-0.7-
6~7(歳)0.8-0.8-
8~9(歳)1-1-
10~11(歳)1.2-1.1-
12~14(歳)1.4-1.2-
15~17(歳)1.5-1.2-
18~29(歳)1.4-1.1-
30~49(歳)1.4-1.1-
50~69(歳)1.3-1.1-
70以上(歳)1.2-0.9-
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+0+0.1+0.2+0.2

身体活動レベルII(アウトドア派)の推定エネルギー必要量を用いて算定

ビタミンB2□

ビタミンB2は、エネルギー代謝に関与するビタミン。
過剰摂取しても速やかに尿中に排泄されることから耐容上限は設定しない。
吸収最大量は約27mgと報告されており、一度に多量摂取する意義は小さい。

性別男性女性
年齢推奨量(mg/日)目安量(mg/日)推奨量(mg/日)目安量(mg/日)
0~5(月)-0.3-0.3
6~8(月)-0.4-0.4
9~11(月)-0.4-0.4
1~2(歳)0.6-0.5-
3~5(歳)0.8-0.8-
6~7(歳)0.9-0.9-
8~9(歳)1.1-1-
10~11(歳)1.4-1.2-
12~14(歳)1.5-1.4-
15~17(歳)1.7-1.4-
18~29(歳)1.6-1.2-
30~49(歳)1.6-1.2-
50~69(歳)1.5-1.2-
70以上(歳)1.3-1-
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+0+0.2+0.3+0.4

身体活動レベルII(アウトドア派)の推定エネルギー必要量を用いて算定

ナイアシン□

ナイアシンはエネルギー代謝に関与するビタミン。
過剰摂取は消化不良、便秘、肝機能低下を引き起こす可能性が報告されている。

性別男性女性
年齢推奨量(mgNE/日)目安量(mgNE/日)推奨量(mgNE/日)目安量(mgNE/日)
0~5(月)-2-2
6~8(月)-3-3
9~11(月)-3-3
1~2(歳)6-5-
3~5(歳)7-7-
6~7(歳)9-8-
8~9(歳)10-10-
10~11(歳)13-12-
12~14(歳)14-13-
15~17(歳)16-13-
18~29(歳)15-11-
30~49(歳)15-12-
50~69(歳)14-11-
70以上(歳)13-10-
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+0+0+0+3

身体活動レベルII(アウトドア派)の推定エネルギー必要量を用いて算定
ナイアシン当量(mgNE)=ナイアシン(mg)+1/60トリプトファン(mg)
0~5ヶ月はmg/日
詳しくは耐容上限が設定されているので注意。

ビタミンB6□

ビタミンB6は、アミノ酸の異化やアミノ酸系神経伝達物質である生理活性アミンの代謝に関わっている。
ビタミンB6欠乏に起因する神経障害が観察されたという報告がある。
また、過剰摂取時には感覚神経障害が発現する可能性がある。

性別男性女性
年齢推奨量(mg/日)目安量(mg/日)耐容上限量(mg/日)推奨量(mg/日)目安量(mg/日)耐容上限量(mg/日)
0~5(月)-0.2--0.2-
6~8(月)-0.3--0.3-
9~11(月)-0.3--0.3-
1~2(歳)0.5-100.5-10
3~5(歳)0.6-150.6-15
6~7(歳)0.8-200.7-20
8~9(歳)0.9-250.9-25
10~11(歳)1-301-30
12~14(歳)1.3-401.3-40
15~17(歳)1.4-501.3-45
18~29(歳)1.4-551.1-45
30~49(歳)1.4-601.1-45
50~69(歳)1.4-551.1-45
70以上(歳)1.4-501.1-40
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+0.8+0.8+0.8+0.3

ビタミンB12□

ビタミンB12の欠乏は悪性貧血を引き起こす。
過剰摂取に関しては、有害作用を示す科学的根拠がないため耐容上限量は設定しない。

性別男性女性
年齢推奨量(μg/日)目安量(μg/日)推奨量(μg/日)目安量(μg/日)
0~5(月)-0.4-0.4
6~8(月)-0.6-0.6
9~11(月)-0.6-0.6
1~2(歳)0.9-0.9-
3~5(歳)1.1-1.1-
6~7(歳)1.4-1.4-
8~9(歳)1.6-1.6-
10~11(歳)1.9-1.9-
12~14(歳)2.4-2.4-
15~17(歳)2.4-2.4-
18~29(歳)2.4-2.4-
30~49(歳)2.4-2.4-
50~69(歳)2.4-2.4-
70以上(歳)2.4-2.4-
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+0.4+0.4+0.4+0.8

葉酸□

葉酸摂取によるリスク低減が期待される胎児奇形として、口唇・口蓋裂や先天性心疾患があげられている。
従って、もっとも重要な神経管の形成期に、母体が十分な葉酸栄養状態であることが望ましい。
葉酸摂取量と脳卒中、心筋梗塞など循環器疾患発症率との関連は複数の報告があり、予防効果ありとする結果を得たものが多いが、その結果は必ずしも一致していない。

性別男性女性
年齢推奨量(μg/日)目安量(μg/日)耐容上限量(μg/日)推奨量(μg/日)目安量(μg/日)耐容上限量(μg/日)
0~5(月)-40--40-
6~8(月)-65--65-
9~11(月)-65--65-
1~2(歳)100-300100-300
3~5(歳)110-400110-400
6~7(歳)140-600140-600
8~9(歳)160-700160-700
10~11(歳)190-900190-900
12~14(歳)240-1200240-1200
15~17(歳)240-1300240-1300
18~29(歳)240-1300240-1300
30~49(歳)240-1400240-1400
50~69(歳)240-1400240-1400
70以上(歳)240-1300240-1300
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+240+240+240+100

パントテン酸□

パントテン酸欠乏症は実験的に再現できていない。
また、人にパントテン酸のみを過剰に与えた報告は見当たらない。

性別男性女性
年齢目安量(mg/日)目安量(mg/日)
0~5(月)44
6~8(月)55
9~11(月)55
1~2(歳)33
3~5(歳)44
6~7(歳)55
8~9(歳)65
10~11(歳)76
12~14(歳)76
15~17(歳)75
18~29(歳)55
30~49(歳)55
50~69(歳)65
70以上(歳)65
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+1+1+1+1

ビオチン□

推定平均必要量を設定するに足る実験データはない。
ビオチン関連代謝異常症の患者では大量のビオチンが経口投与されているが、副作用などの報告はない。

性別男性女性
年齢目安量(μg/日)目安量(μg/日)
0~5(月)44
6~8(月)1010
9~11(月)1010
1~2(歳)2020
3~5(歳)2525
6~7(歳)3030
8~9(歳)3535
10~11(歳)4040
12~14(歳)5050
15~17(歳)5050
18~29(歳)5050
30~49(歳)5050
50~69(歳)5050
70以上(歳)5050
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+2+2+2+5

ビタミンC□

ビタミンCを1日6~12mg摂取していれば壊血病は発症しない。
過剰摂取した場合には、消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加することから、広い摂取範囲で安全と考えられている。
ただし、腎機能障害を有する者が数g/日のビタミンC を摂取した条件では腎シュウ酸結石のリスクが高まる。

性別男性女性
年齢推奨量(mg/日)目安量(mg/日)推奨量(mg/日)目安量(mg/日)
0~5(月)-40-40
6~8(月)-40-40
9~11(月)-40-40
1~2(歳)40-40-
3~5(歳)45-45-
6~7(歳)55-55-
8~9(歳)65-65-
10~11(歳)80-80-
12~14(歳)100-100-
15~17(歳)100-100-
18~29(歳)100-100-
30~49(歳)100-100-
50~69(歳)100-100-
70以上(歳)100-100-
妊婦初期妊婦中期妊婦末期授乳婦
+10+10+10+50

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